2026.08.16
フリーランス美容師が使える節税制度3つ、注意点とセットで
面貸しや業務委託で働き始めると、税金の計算は自分の仕事になります。使える制度を知らないまま1年が終わっても、あとから遡って取り返すことはできません。ここでは国が用意している3つの制度を、メリットだけでなく引っかかりやすい注意点とセットで整理します。
ふるさと納税:手軽だが、上限と申告に注意
応援したい自治体に寄付をすると、寄付額のうち2,000円を超える部分が所得税・住民税から控除される制度です。実質2,000円の自己負担で、地域の特産品などの返礼品を受け取れます。
引っかかりやすいのは次の2点です。
- 控除には上限額がある。 年収や家族構成によって上限が決まり、超えた分はただの寄付になります
- ワンストップ特例は確定申告をしない人向けの制度。 フリーランスは確定申告をするので、寄付分もあわせて申告する必要があります
返礼品の価値が高額な場合、一時所得として課税対象になることもあります(通常、問題になるケースは多くありません)。
小規模企業共済:退職金を自分で積み立てる
個人事業主が将来の廃業や退職に備えて積み立てる、国の制度です。掛金は全額が所得控除の対象になるので、自分の退職金を作りながら課税所得を減らせます。掛金は月1,000円から70,000円まで、いつでも増減できます。
ただし、貯金と同じ感覚で始めると後悔します。原則として途中で引き出すことはできず、短期間で解約すると元本割れする場合があります。受け取るときにも「退職所得扱い」または「公的年金等の雑所得扱い」として税金がかかります。
長く続ける前提の制度なので、掛金は売上が落ち込んだ月でも払える額から始めるのが無難です。事業をやめたあとも、掛金の支払いや受け取りを継続できます。
経営セーフティ共済:使いどころがはっきりしている
取引先(中小企業者)が倒産した場合に、掛金総額の10倍・上限8,000万円まで、無担保・無保証人で借り入れができる共済制度です。掛金は月5,000円から20万円まで1,000円単位で設定でき、積立の上限は800万円。掛金は必要経費に算入できます。
3つの中では、いちばん向き不向きが分かれる制度です。
借入れできるのは「取引先の倒産時」のみ。倒産していない場合は、借入れできません。
加入してすぐには貸付を受けられず、通常7ヶ月以上の掛金納付が必要です。途中解約にも条件があります。自分の働き方に「倒産すると代金が回収できなくなる取引先」がいるかどうかで、必要性は変わります。
どれから手をつけるか
3つとも国の制度ですが、目的も申込先も別々です。同時に始める必要はありません。
- 今年の税負担を軽くしたい → ふるさと納税
- 将来の退職金も同時に作りたい → 小規模企業共済
- 事業のリスクに備えたい → 経営セーフティ共済
控除の上限額や受け取り時の扱いは、収入・家族構成・事業の状況で変わります。掛金の額を決める前に、顧問税理士か所轄の税務署に自分のケースで確認しておくと安全です。
